中絶とは、妊娠をしたけれども、どうしてもそれを継続させることができずに、胎児がなくなることを指しています。
多くは流産なども含まれていますが、人工的なものを指しているといえるでしょう。
手術が受けられる期間は妊娠22週未満まで
人工的に胎児とその内容物を母体の外に排出することになりますが、妊娠の継続が難しく手術をしなければならないことは、女性の心にも体にも大きな負担をかけることになります。
手術が受けられる期間は法律で定められていて、妊娠22週未満までと定められています。
期間が定められていることもあり、素早く結論を出さなければならないのが現実です。
自然に行われることではなく、人工的に女性の体に手を加えなければなりません。
そのため女性の体には様々な影響を及ぼすことになります。
たとえやむを得ない選択をすることになったとしても、どのような手術内容なのか、またどのようなリスクがあるのかをしっかりと把握しておくとか求められます。
繰り返し行うことによって、将来の妊娠に対しても影響する可能性もあるため、パートナーとともに、避妊に対する知識をしっかりとつけることが大切です。
中絶を選択する理由と方法
なぜ中絶を選択することになるのか、その理由は様々ですが、法律で認められているのは母体の健康上の理由や経済上の理由がある場合、トラブルに巻き込まれることによる妊娠のケースが挙げられます。
一言で中絶といっても、その時期によって種類が分かれます。
妊娠12週未満にあたる妊娠初期と、12週から22週未満の中期の二つの時期に行われることになりますが、初期と中期では手術方法や費用にも違いが見られます。
妊娠初期の手術の場合には、掻爬法と呼ばれるものと吸引法とよばれるものの二つがもちいられることになります。
どちらの方法も人工的に子宮口を開いて、そこから手術を行うことになります。
掻爬法とよばれるものは、スプーンのような専門器具と、はさみのようなものを使い内容物を取り出す方法です。
吸引法は子宮口から吸引するための器具を使い吸い出す方法です。
どちらも麻酔をしてから行うため、特に痛みを感じることはないでしょう。
手術時間も5分から10分程度で終了します。
費用は一般的に7から15万円程度
前日からは飲食が禁止されたり、子宮口を開くための器具がもちいられることにもなりますが、一般的には日帰りで手術は終了するでしょう。
その際の費用は一般的に7から15万円程度とされています。
初期の中絶の手術の場合には、安全でなおかつ簡単に思えるかもしれませんが、場合によっては体に悪い影響を与えることになります。
例えば感染症を引き起こしてしまったり、子宮に穴が開いてしまい、そこから別の治療が必要になることもあるでしょう。
手術で使用する器具が消毒不足に陥っていたり、内容物をかき出す際に、子宮に傷をつけてしまうことも見られます。
このような状態になると、別の治療を受けたり、場合によっては再び手術をする必要も出てきます。
また手術が無事に終了したとしても、子宮内に組織が残っている場合には、出血が長く続くこともあります。
こうなるともう一度手術をしなければならなくなります。
たとえ初期でも中絶には大きなリスクが付いて回る
手術中に痛みはないものの、手術が終わった後は、子宮が収縮することにより腹痛を生じることもあり、たとえ初期でも中絶には大きなリスクが付いて回るのです。
次に中期に入ってからの手術ですが、この時期の手術は方法や費用も初期のころとは大きく異なります。
子宮の中では胎児が大きく成長しているため、陣痛促進剤と呼ばれる薬剤を使って、出産と同じ方法をとります。
器具を用いて子宮口を広げたら、陣痛促進剤を使い人工的に陣痛を誘発させます。
この後に子宮が収縮を繰り返すことになり、胎児を体外に排出することになります。
中期の手術は入院期間は三日程度
中期の手術となると入院する必要が出てきて、おおよその場合入院期間は三日程度です。
実際に出産をするよりも短時間で手術は終わるものの、麻酔がない状態で急激に陣痛が始まって出産が進んでいくため、体には大きな負担がかかることになるでしょう。
これが中期の手術と初期の手術の違いといえます。
中期の手術の場合には、急激に進んでいことから、トラブルが生じることもあります。
例えば子宮が破裂して大量出血を起こしたり、子宮内感染などで、場合によっては命の危険を伴うもあるでしょう。
費用の面でも初期と比べるとはるかに高額になり、20から30万円以上になることがほとんどです。
中期の手術となると、高いリスクが伴うことになります。
このように中絶をすることによって、初期でも中期でも体には大きな影響を与えることがわかります。
しかし体だけではなく、精神的にも問題を抱える人が多く見られます。
これは後遺症候群と呼ばれるもので、不眠などの睡眠障害に陥る人も多く、ここからうつ病を発症する人も見られます。
まとめ
一時的なケースで治る人もいれば、長期間苦しむ人もいることでしょう。
体だけではなく心にも大きな影響を与えることになるので、どのような理由で手術を選択するとしても、これらをしっかりと把握するとともに、それなりの覚悟が必要です。